ひもそ日記

高1長女(ADHD)と中2次男(てんかん)の日常。たまに高2長男の男子校生活や家族のことなど。

キムコ先輩のはなし その4

わたしがキムコ先輩と初めてお会いしたのは、夫と結婚して一年が過ぎた頃でした。
舅さんが、ガンで亡くなった後の、葬儀の後だったと思います。
みんなで夫の実家に戻ったら、キムコ先輩が家にいました。
息子くんも連れてきていました。


みんなビックリしていました。
久しぶりの対面!とかに驚いたわけではありません。
何故、勝手に上がっているんだよ!ってことにです。
鍵を掛けないお家なので、入れてしまうんですけど。
3年振りなのに、勝手に家に上がる勇気を持ち合わせている、
キムコ先輩はやっぱりスゴイです。


夫の姉は、一緒の空間に居たくないという雰囲気を全力で醸し出していました。
「甥っ子は可愛いけど、キムコさんには家の敷居を跨いでほしくないわ!」
と、後で言っていました。
敷居を跨ぐどころか、キムコ先輩スッカリくつろいじゃってましたしね。


お姉さんの殺気を感じたのか、キムコ先輩も多少気まずそうなご様子。
そりゃぁ、色々やらかしちゃってるから仕方ないですね。


みんなキムコ先輩とお話はしたくない様で、わたしの長男の面倒をみると
一人消え、息子君の面倒をみるわと二人消え、気が付くとわたしとキムコ先輩
しか残っていませんでした。
……。
おいおい。
そりゃぁ、ないだろう。
この状態をどうすりゃいいのさ。


慌てふためいているわたしをよそに、キムコ先輩が口を開きました。
「キムコっす。
 元嫁っす。
 お義姉さんよろしく!」
……。
お義姉さん!!
離婚したと聞いたけど、わたしお義姉さんになるんですか!
知らなかった。。
(お義姉さんでも何でもないことは後で知りました。)


キムコ先輩に人見知りって言葉はない様で、ゲラゲラ笑いながら話します。
気さくで良いと思うんだけど、今日は小声で話そうか。
お義父さんのコトでみんな疲れているしねと話しました。


キムコ先輩も分かってくれたようで、小声で話しだしました。
「実は、折り入ってお義姉さんに相談があるんですよ。」と。
……。
いやだ。。
聞きたくない。。
お金ならないよ。
子供が生まれたばかりだし。。


そんなわたしの表情を読み取ったのか、キムコ先輩がいいました。
「いや、借金とかの相談じゃないですよ(笑)
 ウケる~!!
 そんな湿っぽい話じゃないですよ。
 この家のみなさんに、わたしと元旦那がここに住んでもいいか、
 お義姉さんに聞いてもらいたいんですよ。」
…。
はい?
待って!弟くんとやり直すってこと?
弟くんはその気があるの?


「いやぁ。
 元旦那の気持ちは知らないです。
 まぁ、再婚?
 そうなるかなぁって思っています。」
……。
ちょっと待ってくれ。
弟くんの気持ちも知らないのに、わたしがキムコさん達ここに住んでもいい?
ってみんなに聞くのは、明らかにオカシイでしょう。
それに弟くん、別れて良かった♪ってつい最近も喜んでいたし。。
聞くまでもないんじゃないかな。。


わたしが困り果てた顔をしていたら、キムコ先輩が言いました。
「まぁ、アレですかね。
 とりあえず元旦那に聞いてからの方が良いかも知れないっすね。」
……。
そうだよ!!
それが一番だよ!
役に立てなくて、なんだかごめんね!!
とガンガン謝って、オカシなことをみんなの前で言う役はなくなりました。


「お義姉さん、でも結婚式には来て下さいね。
 てんとう虫のサンバとかデュエットしちゃいましょうよ。
 嫁シスターズってコトで!!」
……。
シスターズ。。


あれから10年以上経ちましたが、とりあえずキムコ先輩と嫁シスターズは
結成しておりません。


次回、「キムコ先輩それはない!!」ってお話。