ひもそ日記

高1長女(ADHD)と中2次男(てんかん)の日常。たまに高2長男の男子校生活や家族のことなど。

キムコ先輩のはなし その5

シスターズ話をしてから、数年が経ちました。
キムコ先輩はそれ以来、姿を見せませんでした。


ある時期から夫の実家に行くと、必ずキムコさんの息子くんが居ました。
息子くんは人懐っこいで、とても可愛らしい男の子でした。
すっかり懐いてくれたので、一緒に遊んだり勉強をしたりしました。
夫の家族にはキムコ先輩がなんで居ないのか、特に聞きませんでした。
まぁ、また預けて遊びに行っているのかねぇ位にしか思っていませんでした。


ある日、夫の実家に遊びに行ったときのコトです。
その日は息子くんとレゴで遊んでいました。
お家を作ったり、飛行機を作ったり、囲いを作ったりして
ごっこ遊びを楽しんでいました。
楽しそうにキャッキャッと笑う息子君をみて、わたしも俄然張り切りました。


ある人形を動かそうとした時、息子くんに止められました。
そして、今でも忘れられない衝撃のコトバを息子くんから聞くことになりました。


「お~い!
 その人形は動かしちゃダメだよ。
 ママはまだ牢屋から出れないんだから!」


わたしが動かそうとしていた人形は、囲いの中にいました。
ママ?牢屋?
えっ?
どうゆうこと…?


後に、ある事実が判明しました。
キムコ先輩は事故を起こしてしまいました。
無免許運転で、お爺さんにぶつかり、大ケガをさせてしまったそう。
ガッツリ逃げてしまったので、お縄を頂戴されてしまったようです。


これは…。
今までのやらかし具合が、可愛くすら思えるほどの、やらかしぶり。。
キムコ先輩、それは本当にマズイよ。
これからどうするのさ。。


そんなわたしの心配をよそに、夫の家族は至って冷静でした。
「まぁ、キムコさんが育てられないなら、
 うちが引き取るかって話だね。」


その後、キムコさんは社会復帰をしました。
結局、戻って来たキムコさんが、息子くんを引き取ることになりました。


暫くして、キムコさんは夫の弟ではない方と再婚しました。
なので、わたしと同じ苗字だった、息子くんの苗字も変わることになりました。
それが少しだけ、なんだか寂しく感じましたが、息子くんが幸せになってくれたら
いいなぁと、心から思いました。


次回「現在のキムコ先輩」

キムコ先輩のはなし その4

わたしがキムコ先輩と初めてお会いしたのは、夫と結婚して一年が過ぎた頃でした。
舅さんが、ガンで亡くなった後の、葬儀の後だったと思います。
みんなで夫の実家に戻ったら、キムコ先輩が家にいました。
息子くんも連れてきていました。


みんなビックリしていました。
久しぶりの対面!とかに驚いたわけではありません。
何故、勝手に上がっているんだよ!ってことにです。
鍵を掛けないお家なので、入れてしまうんですけど。
3年振りなのに、勝手に家に上がる勇気を持ち合わせている、
キムコ先輩はやっぱりスゴイです。


夫の姉は、一緒の空間に居たくないという雰囲気を全力で醸し出していました。
「甥っ子は可愛いけど、キムコさんには家の敷居を跨いでほしくないわ!」
と、後で言っていました。
敷居を跨ぐどころか、キムコ先輩スッカリくつろいじゃってましたしね。


お姉さんの殺気を感じたのか、キムコ先輩も多少気まずそうなご様子。
そりゃぁ、色々やらかしちゃってるから仕方ないですね。


みんなキムコ先輩とお話はしたくない様で、わたしの長男の面倒をみると
一人消え、息子君の面倒をみるわと二人消え、気が付くとわたしとキムコ先輩
しか残っていませんでした。
……。
おいおい。
そりゃぁ、ないだろう。
この状態をどうすりゃいいのさ。


慌てふためいているわたしをよそに、キムコ先輩が口を開きました。
「キムコっす。
 元嫁っす。
 お義姉さんよろしく!」
……。
お義姉さん!!
離婚したと聞いたけど、わたしお義姉さんになるんですか!
知らなかった。。
(お義姉さんでも何でもないことは後で知りました。)


キムコ先輩に人見知りって言葉はない様で、ゲラゲラ笑いながら話します。
気さくで良いと思うんだけど、今日は小声で話そうか。
お義父さんのコトでみんな疲れているしねと話しました。


キムコ先輩も分かってくれたようで、小声で話しだしました。
「実は、折り入ってお義姉さんに相談があるんですよ。」と。
……。
いやだ。。
聞きたくない。。
お金ならないよ。
子供が生まれたばかりだし。。


そんなわたしの表情を読み取ったのか、キムコ先輩がいいました。
「いや、借金とかの相談じゃないですよ(笑)
 ウケる~!!
 そんな湿っぽい話じゃないですよ。
 この家のみなさんに、わたしと元旦那がここに住んでもいいか、
 お義姉さんに聞いてもらいたいんですよ。」
…。
はい?
待って!弟くんとやり直すってこと?
弟くんはその気があるの?


「いやぁ。
 元旦那の気持ちは知らないです。
 まぁ、再婚?
 そうなるかなぁって思っています。」
……。
ちょっと待ってくれ。
弟くんの気持ちも知らないのに、わたしがキムコさん達ここに住んでもいい?
ってみんなに聞くのは、明らかにオカシイでしょう。
それに弟くん、別れて良かった♪ってつい最近も喜んでいたし。。
聞くまでもないんじゃないかな。。


わたしが困り果てた顔をしていたら、キムコ先輩が言いました。
「まぁ、アレですかね。
 とりあえず元旦那に聞いてからの方が良いかも知れないっすね。」
……。
そうだよ!!
それが一番だよ!
役に立てなくて、なんだかごめんね!!
とガンガン謝って、オカシなことをみんなの前で言う役はなくなりました。


「お義姉さん、でも結婚式には来て下さいね。
 てんとう虫のサンバとかデュエットしちゃいましょうよ。
 嫁シスターズってコトで!!」
……。
シスターズ。。


あれから10年以上経ちましたが、とりあえずキムコ先輩と嫁シスターズは
結成しておりません。


次回、「キムコ先輩それはない!!」ってお話。

キムコ先輩のはなし その3

キムコ先輩と暮らすようになってから、夫の実家である事件がおきました。
同居している家族の財布から、お金が盗まれていることが何度もあったそう。
日頃から羽振りが良く遊びまくっている彼女だろうと、
みんなが思いました。
……。
こりゃぁ、キムコさんに違いないと。。


キムコさんに聞いても、「知らねえ」の一点張り。
これじゃぁ、埒が明かないということで、キムコさんに内緒で
隠しカメラを設置したそうです。


案の定、キムコ先輩がカメラに映りこんでいたそう。
後ろ姿でいくら盗んだか分からないけれど、確信犯です。


映像を確認した、夫と姑と弟でキムコさんに説教したそう。
そりゃそうだ。
ぬすっ人はいけません。


しかし、キムコ先輩は全然反省していなかったそうです。
そして、異次元のお話をされました。
「お兄さんの財布のお金を抜き取って、旦那の財布に移動しただけ。
 そのお金を旦那から貰ってたんだから、泥棒じゃないし!」
……。
ビックリです。
キムコ先輩の思考は、一般市民には到底理解出来ません。
弟くんの財布からお金が減ると、弟くんがあまりお金をくれなくなるから、
夫の財布から弟くんの財布にお金を移動させていたそうです。。


「だから、わたしは盗んだりとかしてないです。
 結果的に旦那の財布に入ってるんだから、わたしに文句とか
 マジで信じられない。」とキムコ先輩に逆ギレされたそうです。
 ……。
何を言っても訳の分からない反論しかしなかったので、
あの時期は凄く疲れたと夫は話していました。


そんなキムコ先輩と弟くんがお別れする日がやってきました。
息子くんが一歳前だった頃だそう。
想定内だけども、早いわっ!!
原因は、先輩の「よその殿方への恋ゴコロ」
だろうなって感じでした(笑)
みんなの心配を無視して、息子くんはキムコ先輩が引き取りました。
……。
大丈夫かね。。


次回、初めてキムコ先輩にお会いした時のお話です。