ひもそ日記

中1長女(ADHDと広汎性発達障害)と小5次男(てんかん)の日常。たまに中2長男の男子校生活など。

長女のこと その21

桃の節句、ひな祭り。
ひな人形を飾って、お祝いをする。
毎年楽しみな行事のひとつです。


日本人形が苦手なムスメには、小さくて丸々太ったコケシみたいなひな人形を。
お内裏様と、お雛様のみなので、出し入れも物凄く楽です。


ひな人形をしまうのが遅くなると、婚期が遅くなると、母に小さい頃言われました。
いやいや、それはどうやら迷信らしいよ!という話や、
「ひな人形をちゃんと片付けられない様では、嫁さんになれないよ!」
と戒めを込めた教訓らしいよ!という話も他の方から聞いたことがあります。


どれが本当か分からないけれど、どうやら早くしまった方が良さそう。
善は急げで、早速しまおうとしました。
それを見ていたムスメが言いました。


「母ちゃん。
 急いでしまったところで、わたしは早々お嫁にいかないよ。
 声優さんは、花が咲くまで実家暮らしの人が多いんだってさ。
 だからわたしも、基本ずっとこの家に居るって思っていた方がいいよ。」
……。
なんて恐ろしい宣言をムスメはしているんだろう。
それじゃぁ、早くしまう意味がないじゃないか。。
アンタの為に飾ったお雛さま達をみてごらんよ。
二人揃って幸せそうじゃないか。
こんな風に、母ちゃんは幸せになって欲しいと思っているんだよ。
アンタにはそんな母心がわからないのかね?
この愚か者めが!


「いや、違うね!
 母ちゃんは、のんびり父ちゃんと暮らしたいだけだね。
 それで、ついでに犬飼おうとしているんでしょ?
 わたしがアレルギーで飼えないから、嫁にいきなってことでしょう。
 こう言っちゃぁ、なんだけど。とんだ母ゴコロだよ!」
……。
うっ。。
当たらずとも遠からずだ。
ムスメ、最近冴えてきたな。。
でもさ、良いお相手を見つけて幸せになって欲しいとは思っているんだよ。
これは、本当にね。


それを聞いたムスメの言葉。
「じゃぁ、一緒に暮らすのは、弟でいいよ。
 あいつと二階で暮らすから。
 お雛様たちみたいに仲良く暮らすから。
 それで文句ないでしょ?」


おい。
それじゃぁ、今と変わらないじゃないか。。
どうやらわたしの野望が叶うのは、まだまだ遠い未来の様です。。





キムコ先輩のはなし その6

キムコ先輩の息子くん、高校生の頃は違う苗字だったはずなのに、
高校卒業と同時位に、またわたしの嫁ぎ先と同じ苗字になりました。
つまり、キムコ先輩は離婚されました。


そうかぁ。
バツが2こ付いちゃいましたか。。
でもまぁ、ギスギスしちゃってる感じで一緒に居ても辛抱たまらんし、
息子くんが、その空気感の中に居るのも可哀そうだから、良かったんじゃないかなぁ。
でも2年かぁ。
やはりお別れが素早いなぁ。


それから暫く経った頃、実家で義兄からキムコ先輩の近況を聞くことになりました。
宅配業者の仕事をしている兄が荷物を届けた時のお話です。
お届け先が、たまたまキムコ先輩が住んでいるアパートだったそうです。
まさかの再会。数年振りに会ったキムコ先輩。
車いすに乗っていたそうです。
ポテトチップスばかり食べていたら、糖尿病になってしまったとキムコ先輩。
身体障害者手帳も持っているそうです。


そして驚くことに、キムコ先輩は赤ちゃんを抱っこしていました。
生まれて間もない、女のコの赤ちゃんだったそう。


「籍は入れてないんだ。
 正直、父親だれか分かんないから。」
キムコ先輩のコトバに、さすがの兄も固まったと話していました。


一緒に暮らしていた息子くんは、仕事から帰った途端に
キムコさんに「妹の面倒をみろ!」と押し付けられるから、
もう無理!と出ていってしまい、一人暮らしを始めたそう。


今はキムコ先輩のお兄さんの息子さんが、女のコの面倒を見に、
足しげく通ってきてくれているそう。


「でもさぁ、キムコさんさ。
 トイレに行ってくるから、兄ちゃんこの子持ってて!ッて言ってさ。
 子供預けて、スタスタ歩いてトイレ行ってたんだよ。
 車いすいるか?本当にキムコさんに手帳が必要か?って思ったよ。」
……。
なんて言ったら良いのか分からない。。
家族中が同じ気持ちだったらしく、みんな黙っていました。


そして兄が話を続けました。
「キムコさん家の表札をみて驚いたんだよ。
 俺らと同じ苗字の表札だったんだよ。
 甥っこは、弟と血が繋がっているから、苗字を俺らの姓に直しても良いんだけどさ。
 なんでキムコさんまで、一緒なんだって感じだろ?
 しかも、甥っ子はもう家を出てるのにさ。。」
……。
「思わず、甥っ子もう家出て居ないんだから、
 表札直したら?って言ったんだよ。
 そしたら、なんて言ったと思う?」
……。
なんて言ったの、、?


「また、兄ちゃんの弟くんと再婚するかもしれないし、
 このままにしておくよ。
 だって。。」


そのコトバで。
背筋が凍った人。
図々しい!と呆れた人。
ふざけるな!と怒りを露わにした人。
バラバラな感情が渦巻いていました。


わたしは、怒りとか呆れとかよりも、なんだか胸がキュッと痛くなりました。
きっと息子くんが、弟くんと同じ苗字に戻したことに、寂しさや羨ましさや、
仲間に入りたいって気持ちが、キムコさんの中にあったんじゃないかな。
何かが少しづつ違っていたら、キムコさんと、嫁シスターズだったかもしれない。
そう思うと、なんだか妙に切ない気持ちになりました。


その後、キムコさんがどんな風に暮らしているのか分かりません。
また風の便りで聞くことがあるかもしれません。


そしたらきっとキムコ先輩のことだから、またわたしをアッと驚かせてくれると
思います。
驚かせてくれる内容が、キムコさんや周りの人にとって幸せなコトだといいな。。
そんなキムコ先輩は、わたしが今まであった人の中で、間違いなく


       最強の人です。


キムコ先輩の話、
       これにておしまい。





 




キムコ先輩のはなし その5

シスターズ話をしてから、数年が経ちました。
キムコ先輩はそれ以来、姿を見せませんでした。


ある時期から夫の実家に行くと、必ずキムコさんの息子くんが居ました。
息子くんは人懐っこいで、とても可愛らしい男の子でした。
すっかり懐いてくれたので、一緒に遊んだり勉強をしたりしました。
夫の家族にはキムコ先輩がなんで居ないのか、特に聞きませんでした。
まぁ、また預けて遊びに行っているのかねぇ位にしか思っていませんでした。


ある日、夫の実家に遊びに行ったときのコトです。
その日は息子くんとレゴで遊んでいました。
お家を作ったり、飛行機を作ったり、囲いを作ったりして
ごっこ遊びを楽しんでいました。
楽しそうにキャッキャッと笑う息子君をみて、わたしも俄然張り切りました。


ある人形を動かそうとした時、息子くんに止められました。
そして、今でも忘れられない衝撃のコトバを息子くんから聞くことになりました。


「お~い!
 その人形は動かしちゃダメだよ。
 ママはまだ牢屋から出れないんだから!」


わたしが動かそうとしていた人形は、囲いの中にいました。
ママ?牢屋?
えっ?
どうゆうこと…?


後に、ある事実が判明しました。
キムコ先輩は事故を起こしてしまいました。
無免許運転で、お爺さんにぶつかり、大ケガをさせてしまったそう。
ガッツリ逃げてしまったので、お縄を頂戴されてしまったようです。


これは…。
今までのやらかし具合が、可愛くすら思えるほどの、やらかしぶり。。
キムコ先輩、それは本当にマズイよ。
これからどうするのさ。。


そんなわたしの心配をよそに、夫の家族は至って冷静でした。
「まぁ、キムコさんが育てられないなら、
 うちが引き取るかって話だね。」


その後、キムコさんは社会復帰をしました。
結局、戻って来たキムコさんが、息子くんを引き取ることになりました。


暫くして、キムコさんは夫の弟ではない方と再婚しました。
なので、わたしと同じ苗字だった、息子くんの苗字も変わることになりました。
それが少しだけ、なんだか寂しく感じましたが、息子くんが幸せになってくれたら
いいなぁと、心から思いました。


次回「現在のキムコ先輩」