ひもそ日記

高1長女(ADHD)と中2次男(てんかん)の日常。たまに高2長男の男子校生活や家族のことなど。

長男のこと(2016中学受験)その3

お知らせが遅れましたが、
わたしは長男の入試一週間前に、転んで靭帯を損傷してしまいました。
力士なら出場停止、とても相撲を取れる状態ではありません。
……。
しかし、残念ながらわたしは力士ではないので、
長男の付き添いには行かなくてはならない。。
そんな中、2月2日を迎えることになりました。


A校の行きは頑張りましたが、帰りは夫に迎えに来てもらいました。
本命校はやたらと駅から歩くので、はなから歩きはナシ。
自宅から車で30分という場所にあったため、またしても夫に送ってもらいました。


学校に到着すると、昨日と同じように塾の応援の先生が待っています。
塾名の入った旗もたくさん立っています。


息子の塾の応援の先生の中に、校舎長がいました。
他校の応援に行っていると思ったので、嬉しい誤算。
校舎長は常に冷静で、物事を達観してみることが出来る方でした。
そんな校舎長が激励の握手をするとき、力強く手を握り
息子に対して何度も同じ言葉を言ったそうです。
その言葉は、テスト中に効いてくることになります。


先生との握手も終わり、息子が戻ってきました。
何も言わない長男。
さすがに緊張しているようです。


「楽しんでおいで!」
いつもの言葉を長男に言いました。


その時、
ほんの一瞬でしたが、息子がわたしにギュっと抱き着いてきました。
そして、振り絞る声で言いました。


「行ってくる!」


よく聞く話ではあるけれど、受験会場である校舎に入っていく子供の姿。
本当に頼もしいです。
こんなに大きくなったのかと、小学校の卒業式より、わたしは成長を感じました。


暫くして試験も終わり、ゾロゾロと受験生が出てきました。
息子もその波の中、戻ってきました。
わたしを見つけて、緊張が解けたのか、
ホッとしたようないつもの息子の顔。
息子が嬉しそうに言いました。


    「今までのテストの中で一番楽しかったよ!」


そうか。
それなら良かった。。


息子の言葉だけで充分な気がした、
本命校のテストが終わりました。


つづく。。

長男のこと(2016年中学受験)その2

「集大成」と名のついた2月1日がやってきました。
ロマンスカーで長男と朝からで目的地に出発。。
電車の中は、受験生でいっぱい。
どの子も緊張した面持ちで、参考書を見ていました。


長男は前日の夜もグウグウ寝ていたので、寝不足の心配はなさそう。
知る人ぞ知るイメージトレーニングCDも購入し、イメトレもバッチリ。
CD効果か、そんなに緊張していない様に見えました。


A校に到着し、正門に入ったところで塾の先生の激励が待っています。
どの塾も旗を立てて、塾生を応援しています。
……。
おぉっ。よく雑誌やらテレビで観る光景が目の前に広がっている。
テレビ局なんかも来ていて、本格的だね。
よそのお子さんが、テレビ局の密着取材らしきものを受けている。
きっと、あの子の受験までの軌跡が、そのうちテレビで
ドキュメンタリー番組として流れるんだろうな。


そんなことを考えていたら、長男に声を掛けられた。
「じゃ、まぁ行ってくるわ。」


今までに、何度もテスト会場で聞いたその言葉。
頑張っていたのは知っているから。
頑張って!なんてとても言えない。
本番だからって、わたしが掛ける言葉も特に変わらない。
毎回一緒。


「楽しんで!」


こうして一日校の受験を終えました。
長男は体力的に厳しいと判断し、午後受験は回避しました。
一つでも合格を手にしておくと、精神的によろしいので、
このまま他校の午後受験をされるご家庭も多いです。
午後受験の結果は、その日のうちの夜に出たりするので、
2日には一校合格した感じで臨めます。


長男は、さすがに疲れたのか家に帰ったら速攻寝ていました。
やはり午後受験は、長男の場合は回避してに正解だった様です。。


いよいよ明日は本命校。
今までのテストの中で、一番楽しめ!!


つづく。。

長男のこと(中学受験)その1

この時期になると思い出すのは、長男の中学受験のこと。
こちらの受験生はたいていの子が、お試し受験と呼ばれる1月入試を終えて、
2月1日の首都圏入試を皮切りに、熱い戦いが始まります。


我が家はなんだかグダグダで、なかなか1日校が決まりませんでした。
ある時、塾の先生に相談することにしました。
偶々電話にでた先生はベテランで、威圧感があって少々話しづらいタイプ。。


話しやすいタイプの先生に、変わってもらおうかと思ったら、
受験の相談なら、僕が聞きますよ!とおっしゃってくれました。


長男の本命は2日校だったので、1日校をどちらにすれば良いか迷っている
と、お話しました。


A校は、成績的に、合格率は50パーセント。
B校は、当日グダグダでも合格できると思う。
    受験日がもう一日あるので、2回チャレンジできる。


わたし的には、B校がお気に入りでした。
何度も、文化祭に足を運んだし、校風も良かった。
B校は、2日に合否が分かるので、2日の本命校に万が一失敗した場合でも
「B校にご縁があったから、良いんじゃない?」と息子に言える。


ただ、夫が渋りました。
どうせなら、集大成としてA校を受けさせたい。
塾のクラスでも、A校のクラスにいるのだから、チャレンジさせてはどうかと。


A校かぁ。。
私的にはそんなに魅力を感じないんだよね。
それに、通学時間凄いかかるしさ。。


両親のやり取りをみても、長男はどこ吹く風。
「僕的には、一日はどっちでもいいよ。
 二日校が変わらなければ、お好きな方で。。」


そんな状態だと、先生にお話ししました。
先生は長男らしいと、笑ってから言いました。


「お母さんは、小学6年生なら誰でも私立中学を、
 受験する資格があると思っていると思います。
 確かに、受験する資格はありますが、
 A校は、正直一部の選ばれた子供しか受験できないんです。
 暗黙の了解で、それはみんな分かっています。
 スタートラインにさえ立たせて貰えない。
 そんな学校なんです。
 ……。
 でも、僕は思うんです。
 ご子息は、スタートラインに立つ資格があると。
 一緒に残りの時間を頑張ってみませんか?
 彼も男ですから、その方が合否関係なく、
 のちのちの為に良いと断言できます。」


……。
塾は合格実績を上げないといけないので、
合格実績のために、無理な受験を勧めることもあるとききます。
でも、それではない何かを感じました。
若干苦手な先生から。褒められ、カツを入れられた!
こりゃ、A校を受験させるしかない!


一日校、A校
二日校、本命校
三日校、B校      で、決まりました。


先生がおっしゃって下さった話を、長男と夫にしました。
わたしは先生との会話を思い出し、なんだか熱い思いがこみ上げてきて、
涙は出てくるし、鼻もズルズルです。
あと少し頑張ろうね~とか。
今まで頑張ってきたものね~とか言いながら、息子の頭を撫でてやりました。
そんなわたしを見て言った、夫の言葉が今でも忘れられません。。


「A校ねぇ。
 全く受かる気がしないけどね。(長男頷く)
 じゃ、一日はそれで良いんじゃない?」


先生…。
うちの男たち大丈夫でしょうか。。
「集大成に!」と言ってたくせに、なんで、「良いんじゃない?」
程度に、夫は変わっているんだよ。
「この髪型に合う~?」の返答を求めているわけではないんだぞ。。
長男も、嬉しそうに頷いているんじゃないわよ!!


こうして、グダグダな感じで受験校が決まった我が家の戦いは、
いよいよ本番をむかえることになりました。



          
続く。。