キムコ先輩のはなし その5
シスターズ話をしてから、数年が経ちました。
キムコ先輩はそれ以来、姿を見せませんでした。
ある時期から夫の実家に行くと、必ずキムコさんの息子くんが居ました。
息子くんは人懐っこいで、とても可愛らしい男の子でした。
すっかり懐いてくれたので、一緒に遊んだり勉強をしたりしました。
夫の家族にはキムコ先輩がなんで居ないのか、特に聞きませんでした。
まぁ、また預けて遊びに行っているのかねぇ位にしか思っていませんでした。
ある日、夫の実家に遊びに行ったときのコトです。
その日は息子くんとレゴで遊んでいました。
お家を作ったり、飛行機を作ったり、囲いを作ったりして
ごっこ遊びを楽しんでいました。
楽しそうにキャッキャッと笑う息子君をみて、わたしも俄然張り切りました。
ある人形を動かそうとした時、息子くんに止められました。
そして、今でも忘れられない衝撃のコトバを息子くんから聞くことになりました。
「お~い!
その人形は動かしちゃダメだよ。
ママはまだ牢屋から出れないんだから!」
わたしが動かそうとしていた人形は、囲いの中にいました。
ママ?牢屋?
えっ?
どうゆうこと…?
後に、ある事実が判明しました。
キムコ先輩は事故を起こしてしまいました。
無免許運転で、お爺さんにぶつかり、大ケガをさせてしまったそう。
ガッツリ逃げてしまったので、お縄を頂戴されてしまったようです。
これは…。
今までのやらかし具合が、可愛くすら思えるほどの、やらかしぶり。。
キムコ先輩、それは本当にマズイよ。
これからどうするのさ。。
そんなわたしの心配をよそに、夫の家族は至って冷静でした。
「まぁ、キムコさんが育てられないなら、
うちが引き取るかって話だね。」
その後、キムコさんは社会復帰をしました。
結局、戻って来たキムコさんが、息子くんを引き取ることになりました。
暫くして、キムコさんは夫の弟ではない方と再婚しました。
なので、わたしと同じ苗字だった、息子くんの苗字も変わることになりました。
それが少しだけ、なんだか寂しく感じましたが、息子くんが幸せになってくれたら
いいなぁと、心から思いました。
次回「現在のキムコ先輩」
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